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株式会社シード

高可用性と運用最適化を両立
シードがRISE with SAPで描く次世代基幹システムの姿

導入
ソリューション
RISE with SAP S/4HANA Cloud Private Edition
株式会社シード メイン写真
導入企業
株式会社シード
株式会社シード
本社所在地 : 東京都文京区本郷2-40-2
設立 : 1957年10月9日
https://www.seed.co.jp/
課題解決策
導入前
  • システムを停止しても企業活動に支障がない時期にコンバージョンし、SAP S/4HANA®へ着実に移行する
  • 事業継続実現のために基幹システムの可用性を高める
導入後
  • シードとSAP®システムに豊富な知見を有するソフテスが一体となって、予定通り移行完了。本稼働後も安定稼働を継続
  • RISE with SAP S/4HANA Cloudを基盤とすることで、SAP社の包括的運用・管理による高可用性のもとでの事業継続を実現。さらに運用負荷も軽減

導入の背景

SAP ERP 6.0の移行において高可用性を重視し
RISE with SAP S/4HANA Cloudを採用
株式会社シードは1957年の創立以来、「眼」の総合専門メーカーとしてコンタクトレンズや関連商品の製造・販売を行っています。多様な「みえる」喜びを創造する社会の実現を目指し、コンタクトレンズ事業にとどまらず、関連するケア用品や眼に関する商品を展開しています。

同社は、中期経営計画 (2024年4月から2027年3月まで) の中で「連結売上高500億円を達成し、世界のコンタクトレンズ市場でプレゼンスを発揮できる基盤の確保」を掲げています。これを実現するうえで重要なポイントとなるのが、企業活動を支える基幹システムです。しかし、同社の基幹システムは重要な課題を抱えていました。導入していたSAP ERP 6.0 (SAP ECC) の標準サポートが2027年末に終了するため、その対応が急務でした。株式会社シード 情報システム部 部長 佐藤一浩氏は当時を振り返ります。

「当社において、基幹システム移行のために最大7日間システムを止めることができるチャンスは、2024年と2025年の年末年始の2回だけでした。2025年1月カットオーバーを目指し2023年10月に移行プロジェクトをスタートさせました」

シードは、SAP ERP 6.0の財務会計、管理会計、販売管理、在庫管理のモジュールを利用していました。今回、業務変更を最小限に抑えるため、SAP S/4HANAへの移行はデータやアドオンプログラムなど既存資産を最大限に活用する、SAPコンバージョンという移行方法を採用。検討テーマとなったのが移行の受け皿でした。佐藤氏は次のように話します。

「既存のSAP ERP 6.0は、Amazon Web Services (以下、AWS) 上に構築していました。移行先の選定では、オンプレミス版のSAP S/4HANAをAWS上で構築するか、既存のSAP ERPユーザ向け移行ソリューションRISE with SAP S/4HANA Cloud (以下、RISE with SAP) か、両者の間で悩みました」

RISE with SAPは、ERPの提供にとどまらず、インフラ環境、データベース、SAPアプリケーションの運用管理までを包括的に提供するSAP社のサービスです。セキュリティパッチの適用やバージョンアップなどの保守作業もSAP社が担うことで、システムの安定性や可用性の向上が期待できます。さらに、既存のSAP ERP 6.0からSAP S/4HANA Cloudへの移行を支援する各種ツールやサービスも含まれています。
SAP S/4HANA システムコンバージョン
SAP S/4HANA システムコンバージョン
SAP社が提供するツールを使用して既存のSAP ERPシステムから設定やデータを維持しながらSAP S/4HANAシステムを構築する移行手法。ソフテスでは、社内環境で繰り返しSAP S/4HANAへのコンバージョンテストを実施しており、プロセスの標準化やチューニングによる確実な移行とダウンタイムの短縮化のノウハウを蓄積しています。
移行先の選定では、システムやサービスが止まらず、安定して稼働し続けられる力、つまり高可用性をなによりも重視したと佐藤氏は話し、説明を加えます。「既存基幹システムにおいて、データベースのトラブルによりデータ消失の危機を体験したことがあります。運用を支援してもらっているソフテスに相談し、影響を最小限に抑えることができました。基幹システムのトラブルは、当社事業への影響に加え、お客様にもご迷惑をおかけする可能性があります。このリスクを回避できるのがRISE with SAPです。SAP社がインフラからアプリケーションまで包括的に運用管理することで高可用性を実現できます。また、障害発生時にも事業継続を可能とする構成や仕組みとなっており、レジリエンス (回復力) の向上も図れます」

導入のポイント

RISE with SAPへのコンバージョンのパートナーに
同社の視点に立ったサポートを評価しソフテスを選択
2023年に、同社はSAP ERP 6.0からRISE with SAPへのコンバージョンを決断。2024年末から2025年の年始の間に移行をやりとげるために、同社が選択したパートナーがSAPシステムの豊富な導入実績とノウハウを有するソフテスでした。出会いについて佐藤氏は、「SAP ECC5.0の会計モジュールでトラブルが生じた際に、導入した他社ITベンダーは多くの時間とコストがかかると伝えてきました。サポートに不満と不安を感じていたタイミングで、ソフテスと話す機会があり、相談すると『当社で保守もできます』との提案を受けて任せることにしました」と話し、こう続けます。

「SAP ERP 6.0への移行とモジュールの追加もソフテスに依頼しました。ITベンダーを切り替えたことは正解だったと思っています。既存基幹システムにおけるデータベースのトラブル時も復旧に向けて一緒に汗を流してくれました。今回のテーマは、期間内にコンバージョンを終わらせ、確実に運用を開始すること。それを実現するパートナーとしてはソフテス以外に考えられませんでした」
基幹システムのトラブルは、当社事業への影響に加え、お客様にもご迷惑をおかけする可能性があります。
リスクを回避できるのがRISE with SAPです。SAP社がインフラからアプリケーションまで包括的に運用管理することで高可用性を実現できます
株式会社シード
情報システム部
部長
佐藤 一浩
佐藤一浩
株式会社シード 情報システム部 次長 木津裕伸氏は、「コンバージョンでは当社の運用を理解していることが求められました。すべて説明しないと前に進めない状態では、時間も手間もかかります」と話し、こう続けます。「アドオンプログラムもいろいろあります。それらを知らないとコンバージョンは上手くいきません。ソフテスは、当社の視点に立って移行プロジェクトをサポートしてくれました」

導入プロセス

シードとソフテスが連携し処理速度低下を回避
2025年1月6日本稼働し安定運用を継続
SAP ERP 6.0からRISE with SAPへのコンバージョンで重要なポイントとなったのが、2024年8月に実施した現場部門による動作検証でした。「SAP ERP 6.0の本番環境のバックアップを基にソフテスが構築した検証環境を利用して、現場部門による動作確認を実施しました。コンバージョンなので、今まで通り動くアドオンプログラムが多かったのですが、スピードが出ないケースがありました」

コンバージョン前からパフォーマンス面に課題を感じており、ソフテスに相談し、アドオンプログラムの作成・改修や運用変更を通じて改善を図ってきました。しかし、コンバージョンでは、以前対応したアドオンプログラムでパフォーマンスの悪化が発生。
「RISE with SAPへのコンバージョンによって、なぜ動作が遅くなったのか、当初は原因もわからない状態でした。年末年始という移行のタイムリミットが迫る中、当社とソフテスでアイデアを出し合いながら、この課題を乗り越えました」(佐藤氏)

運用の工夫で改善を図ったと木津氏は話し、説明します。「例えば、データをやりとりするデータインターフェースの取り込みが従来に比べ遅くなっていました。並列数を増やすことで改善しました」
コンバージョンでは、当社の運用を理解していることが求められました。すべて説明しないと前に進めない状態では、時間も手間もかかります。ソフテスは、当社の視点に立って移行プロジェクトをサポートしてくれました
木津裕伸
株式会社シード
情報システム部
次長
木津 裕伸
外部システムとの連携も工夫したポイントでした。「ソフテスからの提案を受け、AWS上に中間サーバを構築し、これを経由して外部システムとSAPを連携・運用をしています。RISE with SAPもAWS上にあるので互いの通信も早いと思います」(佐藤氏)

今回、追加開発を行わず、既存システムを改善することで移行を実現しました。「ソフテスの『BPマスタ 一括登録変更』を活用し、BPマスタ (得意先マスタ) への移行などに伴う変更作業の負担を軽減できました。また、アドオンプログラムで項目が変わるケースもあったのですが、ソフテスに修正対応してもらいました」(木津氏)

2024年末の業務終了後、SAP ERP 6.0からRISE with SAPへのコンバージョン作業を開始。ソフテスがデータ移行を担当、シードがプログラムの動作を確認し連携システムのつなぎこみを実施。さらに現場部門が動作テストを行いました。「1つのプログラムだけ、動作に問題がありましたが、ソフテスがリリースまでに修正してくれました」(木津氏)
本番移行スケジュール
本番移行スケジュール
2025年1月6日、シードの事業を支える、RISE with SAPによる基幹システムが本稼働。年明けで注文オーダーのボリュームが多い中、基幹システムは問題なく動きました。現在まで安定稼働を続けています。

導入効果と今後の展望

月1回定例会を開催し、改善点や新機能情報を共有
パフォーマンス最適化に向けた取り組みにも注力
導入効果について木津氏は話します。「事業継続を実現するインフラ基盤を構築できたことは、ビジネスに大きな安心をもたらしました。また、システム監視の負荷軽減、自動的なバージョンアップなど運用の効率化も実現できました。今後、SAPの新機能を活用することで、さらなる生産性向上も図れます」

パフォーマンスを最適化したいと佐藤氏は話し、こう続けます。「RISE with SAPによる基幹システムは長く利用することになります。仕組みの理解はもとより、当社の業務を含めたプログラムの改善、アドオンをなくすなど、運用の工夫をさらに進めることで理想の基幹システムに近づくと考えています。「まだみぬ、世界は、美しい」のパーパスのもと、世界のSEEDに向けた挑戦をITインフラで支えていきます。ソフテスには、これからも当社に寄り添った支援をお願いします」

シードとソフテスは、RISE with SAPによる基幹システムの運用に関して月1回定例会を開催。改善点や業務追加などアップデートに向けた議論に加え、新機能の情報共有を行っています。「見える世界」の変革に挑むシード。ソフテスは、RISE with SAPを通じて同社の成長、社会課題解決を支援していきます。
※こちらの記事は2025年7月時点の情報です。
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