IT新時代の就職

Column No.21
社員旅行「鹿児島2泊3日」

 今年もあっという間に一年が暮れようとしています。12月に入って木々も冬のしつらえに衣替えしつつあります。欅や銀杏は葉を落とし、山茶花はたくさんのつぼみをはぐくんで寒波の到来を今か今かと待っています。新聞に挟み込まれているチラシはおせち料理と歳末売り出し一色です。アーまた一つ歳をかさねるんだ…。

 IT技術が大きく変化し成長しつつある時代です。これに加えてAIが割り込んできました。困ったものです。これまでのITはすべて、我々はその便利さを受け身で享受していればよかったですね。ところがAIが意思を持ち始めて面倒なことになりつつあります。料理を運んできたり、勝手に車を運転したり、この程度ならまだいいですがドローンタクシーが頭の上を飛んできたりしたらうざったいですねぇ。

 これから就職先を決めようとしている学生諸君は、どんな道が未来のどこに続いているのか分からず困り果てていることでしょう。心配は無用です。これまで社会の変化は新しいソリューションが表れてもそれが普及し実社会が変わるところまでには10年20年かかります。自動運転、ドローン物流などといわれて久しいものですが、身近に普及するにはまだ10年15年はかかるでしょうね。まぁぼちぼち考えましょう。

 日本は今後高齢化がどんどん進んでいきます。中でも農業、漁業の分野では深刻です。自国の食料は自国で賄う。これは日本の人々が安心して暮らすことの一番大切なことです。ですが、このままでは日本の農業も漁業も高齢化が進み今後の食料自給が深刻な状況に陥ります。次の時代の担い手が求められています。農業は大規模化・機械化、漁業は天然漁獲から養殖へ、それぞれ事業構造を変革して効率向上、収益性向上が必要です。こうした市民の生活に直接触れる分野への就職も考えてみる価値がありそうです。歓迎されます。活躍の余地が大きく広がっています。発展の可能性も大きなものがあります。成果は社会への貢献、直接感じることができます。

 この他にも従来の労働環境を大きく変える可能性のある世界があります。先の石川県の能登地方の災害復旧、これが遅々として進まない。半年たっても水道が、下水が使えない。仮設住宅が出来上がらないという事態が生じました。社会のインフラの補修が進まない、それを担う人材が手当てできないということが主な原因でした。きれいなオフィスで高給をもらって働く人たちよりも、能登の災害普及をする人たちの方が必要です。能登で働いてくれる人たちにはその10倍の報酬を払っても価値があると思ったのです。今の社会のどこかがおかしいと思いました。バスの運転手がいないからバス路線が廃止される。地域の経済弱者が見捨てられる。こうした矛盾はきっと長い時間をかけて是正されていくのだろうと思います。就職先を考えてみる材料はここにもあります。

 今年の社員旅行は「鹿児島2泊3日」と「劇団四季の『アナと雪の女王』の鑑賞」の2本立て。今年はちょっと豪華。来年はどこかな?楽しみです。

2025年12月16日

■本コラムを執筆したのは

株式会社ソフテス 取締役会長 鈴木忠雄
名古屋工業大学経営工学科を卒業後、川崎重工業(株)に入社。1972年にヤマハ発動機(株)へ移り、技術管理部長や舟艇事業部長を歴任。1997年に(株)ソフテス設立に参画し、2000年より代表取締役社長、のちに会長に就任。著書『経営改革のためのERP導入』で「ユーザダイレクト方式」を提唱し、経営・業務に根差したデータ活用の重要性を説き、企業経営の未来を見据えた活動を続けている。

■本コラムを執筆したのは

株式会社 ソフテス 取締役会長 鈴木忠雄

名古屋工業大学経営工学科を卒業後、川崎重工業(株)に入社。1972年にヤマハ発動機(株)へ移り、技術管理部長や舟艇事業部長を歴任。1997年に(株)ソフテス設立に参画し、2000年より代表取締役社長、のちに会長に就任。著書『経営改革のためのERP導入』で「ユーザダイレクト方式」を提唱し、経営・業務に根差したデータ活用の重要性を説き、企業経営の未来を見据えた活動を続けている。