若々しいフレンドリーな文化

Column No.19

 先日、玄関ガラスの外にヤモリが訪れ、灯りに誘われて寄ってくる虫を捉えようとジーっと身構えていました。ヤモリ(家守)の訪問は、読んで字のごとく家を守ってくれるとのことで、この訪問は縁起の良いものです。近々きっと良いことが起こりそうです。

 社内の雰囲気は大変なごやかで好意に満ちています。それというのも社員は、品行方正な紳士淑女ばかりですので。仕事の内容は決して簡単なものではありません。分からないこと、理解できないことは日常的に生じます。そうした際には、分かるメンバーが率先して教え、教えあうことが当たり前の文化になっています。入社したばかりの時期には研修などで教えてくれる、それが過ぎれば放っておかれるだろうと思っていたが、現実は違って、周りが次から次へと教えてくれるのでびっくりした。そんな実感を口にする人がいるくらい社内の雰囲気はフレンドリーです。

 実際のところ、業務内容は大きな企業の会計、販売管理、生産管理の専門家を相手にすることですから簡単ではありません。さらにそれに対応する「SAP ERP」も複雑な機能が何万件、何十万件組み込まれていますから使いこなすことは相当な年季が必要です。わが社のシステムコンサルティングサービスの方法「ユーザダイレクト方式」では、特別な場合を除いてシステムコンサルタントやシステムエンジニアが客先に派遣されて常駐することはありません。自社の事務所にて作業をすることが原則ですので、いつも仲間が身近にいるため、こんな文化が醸成されてきたのだと思います。支援しあって実力が発揮できていることを、自身の力がついたと誤解してしまうことだけは注意が必要です。

 ベテランであってもマネージャーであっても、こうした支援関係は同様で、上にいる人間が高圧的な態度をとることもなく、同じようにフレンドリーです。また、「SAP ERP」関連の技術は、早いスピードで進化し続けていますので、これにキャッチアップしていくには、上述のような支援関係は大変重要です。

 温暖化とはいっても流石に11月も半ばを過ぎると肌寒くなってきます。そんな季節は草花は見かけなくなりますが、庭には紫紺野牡丹の花が鮮やかながらも心細げに風に揺られています。明日は月食が見られそうで楽しみです。

2021年11月18日

■本コラムを執筆したのは

株式会社ソフテス 取締役会長 鈴木忠雄
名古屋工業大学経営工学科を卒業後、川崎重工業(株)に入社。1972年にヤマハ発動機(株)へ移り、技術管理部長や舟艇事業部長を歴任。1997年に(株)ソフテス設立に参画し、2000年より代表取締役社長、のちに会長に就任。著書『経営改革のためのERP導入』で「ユーザダイレクト方式」を提唱し、経営・業務に根差したデータ活用の重要性を説き、企業経営の未来を見据えた活動を続けている。

■本コラムを執筆したのは

株式会社 ソフテス 取締役会長 鈴木忠雄

名古屋工業大学経営工学科を卒業後、川崎重工業(株)に入社。1972年にヤマハ発動機(株)へ移り、技術管理部長や舟艇事業部長を歴任。1997年に(株)ソフテス設立に参画し、2000年より代表取締役社長、のちに会長に就任。著書『経営改革のためのERP導入』で「ユーザダイレクト方式」を提唱し、経営・業務に根差したデータ活用の重要性を説き、企業経営の未来を見据えた活動を続けている。