はじめての面接

Column No.03

 今年から大卒の就職・採用活動の時期が変更になって、3年生の3月からの解禁になりました。落ち着いて学業に専念できるようにと4年生直前になってから就職活動を解禁するというものです。就職活動では、履歴書、成績証明書に加えて、各種の筆記試験が行われます。その上で、面接試験という段取りが一般的です。採用試験の中でも面接は学生諸君にとってどう対処すべきか訳が分からない代物だろうと思います。

 面接にはこう対処すれば良いんですよ、とはなかなか語れません。目的によって内容も形態も様々です。と言っているだけではお話にもなりませんので、参考にわが社の面接の様子をご紹介します。まずは最初に、天気の話や最近の話題などで雑談をして和やかな雰囲気の中でスタートします。自己紹介など通り一遍の話を聞いた後、被面接者が得意とするような内容のことを話題にして少し深く話を聞いていきます。少し深い話は、2つか3つ聞いて終わります。ポイントは、その少し深く聞く話が問題ですが、ここでは、習得している知識や技量のレベルを確認しつつ、その活動における行動様式や面接での問答の様子を観察します。これによってキャラクターすなわち強い点、弱い点を把握しようとします。知識、経験のレベルは提出書類や試験の結果で殆ど把握できますが、書類で得られる内容の裏付けをとることと、書類では確認できていないことを把握することが中心になります。高校時代に得意だった部活、あるいは大学時代の夢中になったアルバイト、楽しくできた仕事などをテーマに問答をしていきます。得意なことを話題にする訳ですから話は盛り上がるはずです。こういう問答の中で意欲の高さ、知的好奇心の大きさなどを確認していきます。このほか、勤勉さ、積極性、モラルや協調性、柔軟性、自立性なども確認の対象です。

 それでは被面接者は、面接を受けるにあたってどんな準備をしておけば良いのでしょうか?好きなこと、得意なこと、あるいは従来熱心取り組んできたことについて、どんな風に取り組んできたのか、整然と説明できるように整理しておくことです。美化された作り話は、説得力はありませんのでほどほどに。面接に王道はありません。得意なことでも、不得意なことでも、失敗したことでも、堂々と答え、大らかに構えていれば、逞しさ、大胆さ、素直さが評価され、詳細に、正確に、精一杯答えれば、繊細さと、正直さと頑張りが評価されるでしょう。曖昧に、取り繕って答えれば、それなりに評価されます。臆せず堂々と問答をすることが王道でしょう。

 間もなく5月の半ば、あっという間にもう夏ですね。就活生は、しっかり就職活動を頑張ってくださいね。未経験でも無条件で採用してくれる唯一無二のタイミングです。非正規社員に陥ることのないように、我武者羅に就職活動を頑張りましょう。一端非正規社員になってしまうと脱出することは容易ではありません。

2015年5月14日

■本コラムを執筆したのは

株式会社ソフテス 取締役会長 鈴木忠雄
名古屋工業大学経営工学科を卒業後、川崎重工業(株)に入社。1972年にヤマハ発動機(株)へ移り、技術管理部長や舟艇事業部長を歴任。1997年に(株)ソフテス設立に参画し、2000年より代表取締役社長、のちに会長に就任。著書『経営改革のためのERP導入』で「ユーザダイレクト方式」を提唱し、経営・業務に根差したデータ活用の重要性を説き、企業経営の未来を見据えた活動を続けている。

■本コラムを執筆したのは

株式会社 ソフテス 取締役会長 鈴木忠雄

名古屋工業大学経営工学科を卒業後、川崎重工業(株)に入社。1972年にヤマハ発動機(株)へ移り、技術管理部長や舟艇事業部長を歴任。1997年に(株)ソフテス設立に参画し、2000年より代表取締役社長、のちに会長に就任。著書『経営改革のためのERP導入』で「ユーザダイレクト方式」を提唱し、経営・業務に根差したデータ活用の重要性を説き、企業経営の未来を見据えた活動を続けている。