今回は「SAP ERPの機能を他システムから自在に呼び出し処理結果を得られるようにする」技術をご紹介します。
この技術はWEBサービス化と呼ばれます。
今回の例でWEBサービス化するSAP ERP上の機能は下図1の「受注明細取得」汎用モジュールです。 図の場面は汎用モジュールを実行して受注伝票No.41の受注明細を取得した所です。 パイプファイル(品番A001-100)2個を始めとして計5品目の受注明細が表示されています。 この汎用モジュールをWEBサービス化し、販売分析システムから呼び出せるようにしましょう。

図1 「受注明細取得」の実行結果(ERP側)
前節と逆にWEBサービスを呼び出す側となるのが販売分析システムです。 この販売分析システムでは売上高の分析を部門単位から開始し最大で受注明細単位までドリルダウンする画面「売上高/利益率推移画面」の作成の要件が有ると仮定しましょう。 要件実現には受注明細単位のデータが必要ですが、量が多くSAP ERPからの複写を販売分析システム内に持つのは現実的で有りません。
そこで今回の例では図2で示したデータの流れで、必要な時に必要な分の受注明細をSAP ERPの受注明細取得WEBサービスを使って取得します。 サーバ間の通信にはSOAPという汎用的な通信手順を使用します。SOAPはW3C(World Wide Webで使われる技術の標準化団体)によって標準化された規格で、様々なアプリケーションで利用されています。

図2 販売分析システムから受注明細取得WEBサービスを呼び出し
ここまででWEBサービスの提供側(SAP ERP)と呼出側(販売分析システム)をそれぞれ確認してきました。 必要な設定を両方で完了させた後の動作を確認してみましょう。 サーバ間の通信はSOAPで行われ、SAP ERP内部の仕組みが意識されていない事に注目してください。 また、(1)~(3)の処理は画面に表示されずシステムの内部で処理されます。
| (1)サービス実行要求 |
・下図SOAPメッセージが販売分析システムからSAP ERPに送信されます ・意味は「伝票番号41で受注明細取得WEBサービスを実行せよ」になります
|
|---|---|
| (2)実行 |
・(1)の要求に基づきSAP ERP内の汎用モジュールが実行され受注明細が取得されます
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| (3)サービス実行結果の返信 |
・(2)の結果が下図SOAPメッセージに変換後SAP ERPから販売分析システムに返信されます ・(2)の受注明細がXML形式で埋め込まれているのが読み取れます
|
| (4)実行結果の画面表示 |
・(3)のデータが販売分析システム上で下図の様に表示されます
|
今回ご紹介した技術の用途として以下が挙げられます。
| プライベートクラウドのサービス提供元 | SAP ERPの持つ機能をアーキテクチャに依存しないWEBサービスとして提供出来るようになります。例えば、SAP ERPの得意先情報を他システムからの要求に応じてXML形式で送付・・・等の処理が可能になります。 |
|---|---|
| システム間データ交換を簡潔に | WEBサービス化した汎用モジュールは、他システムから見ると単なるXMLデータの送信先・受信元に見えるようになります。 処理にもよりますが、SAP ERP側は汎用モジュールのみ作成し、SAP ERPを呼び出す側はWEBサービスを呼び出す部分だけ作成する事によってシステム間のデータ交換処理の実装が可能になります。 |
| オープン化 | SOAPに対応したアプリケーションとSAP ERPを相互に接続する事が可能になります。 |
(1) SAP ERPの機能(汎用モジュール)はWEBサービス化可能
(2) WEBサービス化した機能の動作
(3) WEBサービス化技術の用途
基幹システムの運用において周辺システムとの円滑な連携は不可欠と考えます。
弊社ではSAP ERPを最大限ご活用頂く為に、ノウハウの蓄積と製品の開発に取り組んでおります。
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