海外拠点のシステム・業務フローを本社で統制、リアルタイムでの業績把握により現場の見える化を実現。
光学プリズム・ミラー・フィルター等の平面研削・研磨加工、薄膜コーティング加工を行う製造販売メーカー。国内外のお客様へ大量かつ短納期で光学製品を供給している。日本国内だけでなく、海外にも営業・生産拠点を置き、世界有数の量産体制と生産技術・設備を保有。2008年3月に香港子会社へのSAP ERP会計モジュール導入を開始。半年後の2008年9月より、本稼働した。
ERP導入を決めた背景には、どのようなことがありましたか?
今回SAP ERPを香港の子会社に導入したのですが、当初は子会社の業績を正確かつタイムリーに把握すること、また単体決算、連結決算の精度を向上すること、早期化することが大きな課題でした。それまでの会計システムは古いシステムで、操作できる者が限られており、システムインフラ面に不安がありました。また、単体決算もスムーズにいかない状況に加え、香港と日本では勘定科目体系が全く違うため、連結作業にも多くの時間がかかっていました。これらのことを解決し、会計処理を合理化するために、今回ERP導入の決定に至りました。
では、数あるERPの中でSAP ERPを選んだ理由を教えてください。
1つ目は、SAP ERPが多言語・多通貨に対応しているところですね。多言語に関しては、英語や日本語に加え、中国語の簡体字の登録が必須でした。また、香港は国際会計基準を採用しているため、多通貨に対応する必要がありました。将来的な話ですが、日本の国際会計基準対応も意識しました。
2つ目は、SAP ERPを採用している企業、つまりSAPユーザやシステムベンダーが多いことです。弊社でも、実務者の採用やシステム導入時のサポート企業の選定等、選択肢が広がると考えました。3つ目はシステムインフラ面です。新システムのインフラは香港には置かず、日本で一元管理する事を考えていましたので、できるだけ簡潔かつ低コストで実現する必要がありました。これらを総合的に検討した結果、SAP ERPがまさに弊社にマッチしたシステムであると考えました。
香港が国際会計基準を採用している事で、会計処理にどんな課題があったのでしょうか。
香港国内での取引は香港ドルで行うのですが、決算書の作成は取引高の一番多いUSドルで行う必要があります。決算作業の中で、香港ドルからUSドルへの変換作業は非常に時間と労力がかかっていました。そこで新システムでは、SAP ERPの中で香港ドル、USドル、さらに日本円と3つの帳票をパラレルで複数通貨元帳のように持つことにしたのです。
SAP ERPを導入したことによるメリットはありましたか?
まず1つ目に、香港の情報を日本でリアルタイムで参照できるようになったことが大きなメリットです。香港での入力と同時に日本で明細を見て、すぐに問い合わせができるようになりました。明細の内容に関しても、導入の際に勘定科目体系を日本で整理し、各種マスタも日本で一元管理していますので、以前のような不明点がなくなりました。2つ目に、業績の管理レベルが向上し、単体決算や連結決算の期間が大幅に短縮できました。3つ目に、実はシステム導入直後に香港のSAP担当者が退職する事態が起きたのですが、「SAP経験者」で募集をかけたところ、大変優秀なSAP経験者の方が入社しました。4つ目に、システムインフラ面です。主な管理は全て日本で行っていますので、香港ではシステムの管理業務がなくなりました。その結果、業務の流れも全て日本から香港を統制でき、現場にいなくても現場オペレーションの見える化を実現できました。
導入時のソフテスの仕事ぶりや、今後ソフテスに期待することを教えてください。
ソフテスのコンサルタントスキルの高さ、それに対するコストの低さは以前から評判を伺っており、信頼していました。実際お仕事をさせていただいても、SAPの知識は当然ながら凄いのですが、会計の業務知識も大変お持ちで、経理の細かい話も通じるところが凄いと思いました。ワークショップの中でも、回答できず次回に持ち越しということがほとんどありませんでしたし、要求仕様に対してSAP ERPの機能でとことん対応していこうというスタイルはとても嬉しく思いました。結果としてアドオンも全く必要なく、低コスト・短期間で行うことができた今回の導入は、本当に大成功だったと思います。今後ソフテスが大きくなっても、ぜひコンサルタントの質は維持していただきたいと思います。今後も期待しています。
注:製品名称等は取材当時のものです。









