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第40回「美しき国 日本!」

 桜もすっかり葉桜になり、代わって藤やタンポポが鮮やかに野山を彩っています。一年で一番華やかな季節です。ですが、被災地の状態は一部の復興の明るいニュースも聞こえてきていますが、大半の地域でまだまだ厳しい状態が続いております。早い復興を祈るばかりです。

 日本は世界でも抜きん出て美しい国です。人々の心の美しさ、人々の暮らし方の美しさ、野山など自然環境の美しさなど様々な面で美しい国です。若い頃、海外出張から日本に帰ってくるたびに日本はきれいな国だなと感じ入ったものです。今回の東日本の震災において、略奪や暴動が全く発生せず、そればかりか、極限状態に置かれていてもなお他を思いやる被災者の姿勢に世界の人たちは驚きを感じたようです。私たち日本人はそんなことを意識することも無く当然のことのように思っていましたが、こうした報道を耳にして、それが凄いことなんだと改めて気づかされました。その日本人の心の美しさについて、いろいろな場面で会話がなされています。日本人は忍耐力が強いからとか、災害が多いから我慢強いとかの会話を耳にします。そんな会話について強い違和感を覚えます。

 日本人の心の原点は、やはり農耕民族であることに起因していると考えます。季節に応じて、天候に応じて栽培の方法、品種の選択、時期の調節など外的環境の激しい変化を是として受入れ、それに柔軟に対応することが生活の基本姿勢になります。特に日本は耕地が狭く、限られた農地を隅々まで余すところ無く耕作することを求められます。労働生産性ではなく、土地生産性の高さが重視されます。
こうした農耕作業を効率的に行うため人々は互いに助け合いながら進めていくこと常となり、互助の精神が根ざすと共に、自然変化を率直に受け入れ、環境に対応し解決していくことを旨としてきました。ここに、互助の価値観と、外的環境の受容の精神が根付いてきたものと考えます。
 個を単位として、自然に存在する獲物を狩りする狩猟の民にとっては、自らを生かしてくれるのは自らの狩猟であり、他との関係性は薄弱です。生きるためには略奪はごく自然のことです。獲物をどうすれば効率的に獲得できるかということが重要です。こうした生活の背景の違い、特徴を理解することで、日本人の心のルーツがなんとなく理解できるような気がします。

 こうした、日本人の精神のルーツは、大都会ではなく地方にあります。東北地方を中心にした地域だからこそ今回の良さを見出せたのかもしれません。“東京なら略奪が起こったわよ”と賢人がつぶやきました。氾濫する情報と物量の中で育ち、受験勉強のハザマで競争し、損得、勝ち負けの価値観が強く、他との依存関係の薄い環境に生きる人たちにとっては、互助や受容の価値観は希薄だろうと容易に想像できます。確かに東京だったら略奪は少なからず生じたんだろうなと思います。そうでなければ被災地が困窮しているときに必要も無い生活物資を買い占めるなんてことが出来るわけがありません。どこかの新聞の片隅に、”買占めなぞしてるときか!”という見出しが載っていましたが、それが大きな声になってこなかったことが残念です。

 美しき日本を更に美しく、その美しさを永続させるために日本の企業はもっと貢献すべきです。地方を豊かにするために頑張りましょう。地方にひとつだけ工場を、10人の、100人の仕事を地方にシフトしましょう。またまた中国やインドや・・・に工場を持って行ってしまうのですか?あなたはどこの国の企業ですか?日本の人々の豊かさにもっともっと関心を持って下さい。

2011年4月 鈴木

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