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第16回:「地球温暖化」

地球に優しいエコロジー生活、その生活がどんな姿の生活であれば良いのか? 具体的なビジョン、テーマがあれば人々の暮らし方はそれに向かって急速に変化し、定着していくような気がします。例えば、ゴミの分別といったことは、ここ10年間で抵抗も少なく社会から受け入れられ定着しております。残念ながら分別した後の処理システムの完成度が低いためにその効果には疑問が残りますが・・。日本の社会は、大きな矛盾が無い限り、社会的な施策については、すなおに受け入れ、社会の仕組みとして定着させていく力をもっています。

欲しいのは実効性のあるビジョンです。この8月26日の中日新聞に東京大学総長の小宮山宏さんが実践した省エネ生活の実例が紹介されました。従来の生活スタイルを維持したまま、年間の消費エネルギーを20%にまで下げることができたということです。

今、情報として聞こえてくるのは、日本として西暦20XX年までに○○%の削減をしなければならないといった性格の情報のみです。これは、結果的に得たい目標です。いろいろな施策をした結果到達すべき水準を示しているに過ぎません。これでは、社会は、人々は、企業は何をどの程度行えばよいのか見えてきません。実行するための動機付け、実行することの指針にはなりません。

ビジョンは、実際に作り上げるべき社会のしくみ、人々の生活、ビジネスの姿です。その姿を作り上げれば、目標とする結果に到達でき、尚且つ快適な社会を維持できるといった、そんな社会の設計図がビジョンです。ビジョンには、アイデアが必要です。“なるほどそうすれば無理なく省エネと快適生活との格差の是正ができる”などというアイデアが必要です。アイデアの良し悪しによって結果は異なってきます。良いビジョンを作り出すため、日本の英知を総動員することが必要です。

作り上げるべき社会の姿が出来ると、今度は、そのために実行していく施策を考えていくことになります。ゴミの分別回収、自動車や家電製品のリサイクル回収のことなどは既に行われている良い例です。住居に関すること、食に関すること、衣に関すること交通に関することについて具体的に示していくことが肝要です。経済への影響を最低限にし、格差や歪を生み出さないように、健全且つ快適な環境作りを目指さなくてはなりません。温暖化について警鐘はもうそれほど必要としません。権威ある研究機関は、省エネ、脱炭素社会のビジョン作りに、エネルギーを費やして欲しいと思います。

到達したい目標、作り上げたい姿(ビジョン)、そのために行うべき施策を定めて事を効率的に進めていくことは、ビジネスの世界でも、行政の世界でも同様です。タイムリーに、高い品質でこういったシナリオを編纂することが肝要です。

2008年9月 鈴木