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第15回:「蝉時雨」

灼熱の8月もはや半ばを過ぎ、蝉の大合唱にもやっと慣れてきました。毎朝のクマゼミの無神経な大音響に対策をということで、熱気にへこたれながらやっとのことで蝉を生け捕る罠を作り、庭のケヤキにとりつけました。計画では毎朝、数十匹の羽化する蝉が捕らえられるはず。少年の様にワクワクした気持ちで、秀作の“罠”の写真を子ども達に自慢げに携帯メール。「何年も暗い土の中で過ごして、やっと地上に出て来て、ものの数日の命。自由に思う存分鳴かせてあげるべし!“罠”は即時撤去すべし!」の返信。 そんな季節も終わり、次の季節の足音がついそこまでやってきている感があります。同時に、不気味な景気後退の足音も・・・地球温暖化の足音も・・・

お盆の季節がら菩提寺の和尚さんから説教を聞く機会がありました。地球温暖化の危機が唱えられてから随分な月日が経過しています。その間に、新聞・テレビで見聞きする地球温暖化による自然環境の変化や、温暖化の影響と思われる変化を肌身で感ずることが多くなってきています。現在の傾向で炭酸ガスの排出が進めば、野生生物だけでなく人類の存亡の危機をもたらす事態は避けられません。こういったストーリーは、ほとんどの人が理解していると思います。

にも係わらず、ほとんどの人が、地球温暖化対策をすることなく、本気で自身の生活を変えることなく過ごしています。そういう小生も全く対策はしておりません。使い捨てタイプの品物の使用を避けたり、ゴミの分別をするぐらいのものです。相変わらず車に乗って通勤したり、どこに居ても暑い暑いとためらいなくエアコンの恩恵にあずかったり、家電製品に囲まれて湯水をふんだんに使った生活をしています。

自分が子供の頃には、考えられなかった生活スタイルです。お風呂は、ご近所のお風呂屋さん、交通手段は自家用車やバイクでは無く、市電、市バスか自転車、風切り音のすごい扇風機と真空管式ラジオが家電製品の全て。実に省エネ、省炭酸ガスなエコロジーライフ。個人個人がそれぞれに身の丈に合った生活を、手に実感を感じつつ過ごした時代でした。大げさに言えば、江戸の時代と本質的にはなんら変わらない生活でした。

今の時代、我々の平成の生活は、パソコンとインターネットによる大量な情報処理、ジャンボジェットや新幹線、高速道路による高速移動、超高層マンションや新建材による人工的な住空間。電化製品を多用した快適化・省力化した生活環境。人の身の丈のちからでは到底およばない環境での生活。このツケが、地球を傷つけています。

50年とまでは言いませんが、せめて30年前の生活に戻れれば、地球は随分癒されると思います。本当にそう思っていますが、即実行しようというところまでは気持ちが到達していません。何時から、どんなプロセスで、どんな姿のエコロジーライフに移行していけば良いのでしょうか?そんなプロセスが、ビジョンが実感できれば、移行していくことにそれ程の抵抗感はありません。どうしていけば良いのか、個人の生活レベルのビジョンが今必要なのではないでしょうか?

2008年8月 鈴木